【町田市立国際版画美術館 2020年度新収蔵作品展】
@企画展示室2
2021.01.05〜02.21
そもそも町田市という県庁所在地以外で
市立でこれほどの規模の美術館を運営しておられるだけでも驚きなのに
版画専門の美術館とはいえ、
版画だけの収蔵で、これだけあるとは本当にビックリです。
なかでも、滝平二郎の『裸の王様』が全ページ展示されていて
ちょっと感動ものでした。
絵本をそのまま額に入れているように展示されているので
順番に読みすすむことで楽しむことができました。
お話の始まりの「それわ、・・」のページを版画で作成されているのが
ワタシとしてはなんだかオシャレだな〜と目を惹きました。
その次に展示されていたドイツ人版画家ヨルク・シュマイサーも
興味深かったです。
彼は銅版画とリトグラフをドイツで学び、
伝統木版画を日本で指導を受けようと留学しますが、
なんと日本の大学ではそうした指導が受けられないことがわかりました。
日本に来てしまってから指導を受けられないことがわかるなんて気の毒だ・・・と思っていたら、
彼は早速、伝統木版にたずさわる職人を訪ねます。
そして各地を巡って日本文化の理解を深めていきます。
そうこうしているうちに約4年の滞在中に
見事に3組の木版画集を制作するに至ります。
日本にせっかく来たのだから何かを持って帰ろうと、
あきらめずに地道に伝統木版画を追求していく姿勢には
共感するものがありました。
意外に日本の大学で教えていることを習うより
仕事としている職人さんの方がリアルに
身になることが多いのかもしれませんね。
館内には版画室があって、
市民の皆さんが制作に勤しんでおられました。
こんなふうに観るだけでなくて
実際に制作する場所を提供している美術館は、なかなかありません。
それとハイビジョンギャラリーがあって
自分で観たいブイを選んで観ることができます。これは1本の長さが手頃で、観てヨカッタです。
でも館内に図書館がナイのですよね・・・不思議(笑)
また来たいと思います☆