【源氏物語絵巻の絵画】
@中之島 香雪美術館
2021.01.30〜03.14
源氏物語は読み物としてはいうに及ばず、
巻物や色紙、扇面に至るまで多くの場面が絵として表現されています。
また長編であるので初心者向けにもわかるように系図が重宝されるなど、
多種多様に表現されています。
入館して第二章のあたりで完全に足を止めて観ていました。
紙本墨書『源氏物語』があまりに素晴らしくて、この一点を観られただけでも
来た甲斐があると思いました。
紺地に金泥で描かれた表紙絵は繊細で大変に美しいものです。
表紙について記しておきますと・・・
「浮世の橋」には橋に月
「橋姫」には柴舟
「若紫」には柴垣
「少女(おとめ)」には飛び立つ雁
「花散里」には時島
「御法」には蓮花・・・と創意工夫がされています。
それから源氏物語そのものからは少しずれますが
土佐光信が描いたとされる作品で『地蔵堂草子絵巻』が展示されていました。
観ていくと、その絵巻のストーリーは、まるで「浦島太郎」!
違うのは主人公がお坊さんで修行のひとつで般若心境を千回書いていたはずなのに
よく見ると女への妄念が書かれていたことと
竜宮城から戻った時に老人ではなく大蛇になっていたところ。
最後は懺悔を繰り返して蛇の背中から生還するという、その絵物語も
とても興味深かったです。
時代時代によって形を変えても
源氏物語は我々も含めて魅了し続けているのだな〜と
つくづく思う展覧会でした。