【ロンドン・ナショナル・ギャラリー展】
2020.11.03〜2021.01.31
もしも大阪展が中止とかになったら・・・と思って、
東京展を別の展覧会目当てで行った時、
会期最終週ということで館が気を利かしてくれて、
最終入館時間が延長されて、最終入場分で予約が取れ、
なんとか一通りは観覧することができました。
しかし人気の展覧会であることは変わりなく、
半ば人を掻き分けながらの観覧だったこともあって、
あまりゆっくりと観れなかったことも事実です。
と、いうわけで今回は、おさらいのような気持ちで、
そしてゆっくり観ようと出かけました。が、それなりに人は来ていました。
東京ほどではないですが💦学生さんが多かったのも目立ちました。
ボッティチェリの宗教画は初めて観ましたが
『春』や『ビーナス誕生』のイメージがあまりに強くて、
すぐにはわかりませんでしたし、絵のタッチも違って見えました。
前回、東京展の時に観て、もう絵の前から動けなくなったのは
ムリーリョの『窓枠に身をのりだした農民の少年』です。
一人の少年が何かまたは誰かにタイトル通り窓枠に身を乗り出して、
嬉しそうに笑っているシンプルな絵です。
服装に決して裕福ではないだろうことが伺えるけれど、
なんだろう・・温かくて、ほんわか幸せな空気が伝わってきます。
大阪展で(東京展はどうだったかは覚えていませんが)
隣どうしに展示されている『幼い洗礼者ヨハネと子羊』と観比べるというか、
同じような子供の絵なのに、同じように笑っているのに、
どこかどう違うのだろう・・と
何度も視線を行き来してみましたが決定的なことはわかりません。
ただ光の感じ?ヨハネは内側から光を放っている気がして・・
そのくらいしかわかりませんでした。
ムリーリョはあまり観たことがない画家ですが、
これから注目したいと思いました。
あと別の角度から気になった絵が2点ありました。
絵画というものは、そこにある事実だけを描いているのではなく、
時に暗号のような
直接は知らせることができないこともあらわすことができる唯一の手段だったのかな・・・と、思うところもありました。
ルノワールの『劇場にて(初めてのお出かけ)』や
本物は初めて観るはずが教科書か画集かで観た記憶が残っていて、
初めて観る気がしないくらい有名なことがわかります。
面白かったのはセザンヌ『プロヴァンスの丘』と『ロザリオを持つ老女』です。
もし名前を隠されて、この絵をどう思うか問われたら、
素人ながら少なくともそれほど魅力を感じる絵ではない・・と答えると思います。
なるほど『プロヴァンスの丘』は岩がゴロゴロした感じの絵です。
そこで解説を読むと、
セザンヌはこの絵を描くのにプロヴァンスの地質や岩を研究したそうなのです。
そこまでする画家はワタシが知る中ではダ・ヴィンチくらいです。
このエピソードは意外な感じもして面白かったです。
その横の『ロザリオを持つ老女』は、すごく魅力的で、
そういえばスザンヌは静物画を多く観る機会がある中で人物は初めてかも?
お祈りされている一生懸命な緊張感が伝わってきてイイな〜上手いな〜と正直に思いました。
展覧会のオーラスにあったのはゴッホの『ひまわり』7枚描いたうちの4枚目ということと、
サインのある2枚(もう1枚は3枚目)のうちの1枚とのことです。
ちなみの日本のSONPO美術館にある『ひまわり』は5枚目で、
ちょっとクイズみたいに自問してみたらハズレました💦
ワタシが選んだのはゴッホ美術館にある7枚目でした。
ゴーギャンとの共同生活を祝してゴッホがゴーギャンの寝室に飾る絵として描いたとされています。
ヨーロッパでひまわりは「忠誠」の象徴とか?
絵の具モリモリにいろんな黄色に囲まれていて、
すごく楽しみにこれからの生活に希望を持っていたのだろうな・・・と、容易に想像できます。
ゴッホは展覧会のメイン展覧会の一部を問わず様々なエピソードが少しずつ出てきて、その度ますますゴッホは揺るぎない魅力に溢れているな〜と思いました。
このつぎ海外のミュージアムに行くとしたら、ロンドンかな?と、ぼんやり思っていたのですが、
今回来日した61点を観て他にはどんな作品が待っているんだろうと、
あらためてやっぱり行きたい〜!と思いました。
今すぐはもちろんムリでも状況が許す時がきたら是非☆