【筆魂 線の引力・色の魔力ー又兵衛から北斎・国芳までー】
@すみだ北斎美術館 2021.02.09〜04.04
「絵師の魂、筆に宿る」
英語にすると【The Soul of the Brush】となるそうです。
なんとなくですがカッコいい〜☆
浮世絵といえば、版画を連想しますが本来、絵師は絵筆をふるった一点ものの肉筆画の方が先だそうです。ワタシもてっきり版画が主流でレアな形として肉筆画があると思っていましたので、版画はたくさんの人に行き渡る方法として今でいう出版物なのでしょうね。
すみだ北斎美術館は今回、初めて行く美術館です。
可愛らしい公園に隣接したモダンな形で、とても楽しみにしていました。
ガードマンさんからして「いらっしゃいませ。どうぞ、お楽しみください。」というお声がけにすっかりファンになりました。
すみだ・・という地名は広いのでしょうか?
すみだ水族館は浅草なので、その近くかと思えば、こちらの美術館は最寄り駅は両国・・・地図を見たら明らかなのでしょうが、ワタシには全然ちがうところに来た感じがしています。
でも、館の休憩室から思わずスカイツリーが近くに見えたので、やっぱりココは「すみだ」なんだな〜と思いました。
さて・・・肝心な展示についてですが、
入館して、いきなり岩佐又兵衛から始まるのですね✨
これには意表を突かれて、それがまた嬉しかったです。
このあと熱海まで又兵衛の展覧会を行く予定でいたので、よりテンションが上がりました。又兵衛は細かな描写が本当に丁寧で美しく、もともと描くことが好きでなければこんなに描けないだろう、と思わせる画力があると感じます。
美しい中に時々、おどろしいまでの残酷なシーンも又兵衛が生きた自身の体験を描いたに過ぎないという、武士の家系の人間が絵を描かなければ生きていけなかった・・そんな時代の絵師でした。
驚くのはそのように肉筆画を描いていたのは何も有名な絵師ばかりでなく、むしろ無名な絵師が多かったそうです。
作者不詳・・・となっていても、これがなんで作者わからないの?と思うほどひとめで素晴らしいと思う出来栄えの絵で、むしろ誰か名前を知りたくなりました。無名の町絵師は落款を伴う作例は少ないらしく、おそらく手がかりはナイに等しいのでしょう。
今回の展覧会で本当に間に合わなくて残念に思ったのは
今でいうコラボで描かれた一枚で『青楼美人繁盛図』です。
北斎がかつていた勝川の絵師と敵対していたとされる歌川の絵師と共に描いたもので、いろいろあったとはいえ、こうして一つのものを描き上げるだけの交流があったということがわかる作品で重要だと思います。
ん〜〜これはぜひ観たかったです!
また、いつか。
あと、気になった絵師がいました。
北斎の門人で、魚屋北渓(ととやほっけい)という絵師です。
今回、展示された『杜鵑図(とけんず=ホトトギス)』は、その新発見されたものだそうで、とても印象強かったです。以前にもどこかの展覧会で名前がおもしろかったから覚えているのですが展示があって、その時も北斎の門人にこんなに上手い人がいるんだな〜と思ったと記憶しています。
常設展も充実していて楽しめました。
また来ます☆