【憧れのヨーロッパ旅行】
@堂本印象美術館
2020.011.28〜2021.03.28
前回、訪れた時は館前の木々は黄葉していてキレイでした。
そして今日、訪れますとお向かいに立命館大学があるのですが
その校門の大きな木が枝垂れ桜でしょうか、
ポツポツ花が開いていて、とてもキレイでした。
堂本印象は61歳の時、自身初となるヨーロッパ旅行に出かけます。
印象ほどの画家になると若い頃に一度は行っているものと思っていましたが
いろいろ大変な時期でもあったようです。
若い頃に行くヨーロッパとはまた違い、
さまざまな経験を踏まえての旅立ちは
印象に新しい可能性を感じさせる旅となったようです。
観覧していて感じたのは
旅先であれば尚更、初めて見るものすべてが新鮮で珍しくて輝いていて
写真を撮るのに忙しいという経験は誰にもあると思います。
いまはカメラ本体でなくてもスマホで気楽にパチリとするところを
印象はとにかくスケッチ、スケッチ、スケッチで
思い出を残していったように思いました。
それは最初に展示されている『ローマの宿の朝』というタイトルの絵からも感じられます。初めて迎えるヨーロッパ(ローマ)での朝食をまるで記念のように絵にしています!
これ気持わかる〜と思いながら観てました。
そして鉛筆と紙を持って町を行きながら、
どんどんスケッチしていく様子が伝わってきました。
『パリ街はずれの家』というタイトルの絵が2枚ありますが
いずれも中心部から離れた場所の様子を描いています。
印象は「パリの町はどこを歩いてもそれぞれに言い知れない趣がある。
あらゆる風景がスケッチの対象となった」と残しています。
『コンコルド』というタイトルでは3枚スケッチを描いていますが
そのどの位置からも遠くにエッフェル塔が見えて、そして誰もが椅子に腰掛けてお茶を飲みながらくつろいでいる様子が描かれています。
展示室が変わって、帰国後に制作した絵、
そして大いに影響を受けたという造形の作品が続きます。
印象がヨーロッパ旅行のことをまとめた著書『美の跫音(あしおと)』の挿絵の原画が展示されていました。色は付いていないのに、とてもおしゃれでモノクロのタッチがシルエットのような効果を出していて素敵でした。
造形は、なるほど〜と思ったのは、どこかピカソの影響を感じたからです。
還暦を迎えて初めて行ったヨーロッパで新たに刺激や影響を受けて
さらに画業に勤しむという、こんな人生の巡り合わせがあるのですね。
少しくたびれかけた細胞が活性化するとでもいうのでしょうか?
こういうの憧れます。
気になる景色があると、写真撮影してオワリ・・・なことが多く、
それはそれなりにアングルなど考えて撮影してはいますが、
これからは描いて残す・・・ということをやってみようかと
観覧しながら急に思いたちました。
そして印象といえば日本画のイメージがやはり強いのですが
こちらの美術館のモダンでヨーロッパ的な造りは、旅行の良い影響がきっとコチラの美術館のデザインにも反映されているのではないかな〜と、ちょっと自分の中にあった違和感のような謎が解けたように思いました。