美 🟡 び🔺be ❎ diary

美術館博物館巡りが好きすぎてヤメられません♡どうせなら!とブログにして伝えて残していこうと思い立ちました。食わず嫌いせず、行けるものは遠方でも行くのがスタイルです。

【吉田博展】

@京都高島屋 

2021.01.05〜01.18

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次の巡回地の日程は

2021.01.26〜03.28東京都美術館(トビカン)の予定みたいです。

 

まさかの2年連続初鑑賞は京都高島屋さんです。

しかも昨年も初日に来てました💦

今年の高島屋さんの展覧会も昨年に引き続きチカラ入っています。

展示点数が200点近くと紹介ビデオが展示室に1回と

出口のところに少し長めのもの1回と、

この充実ぶりは今年も百貨店レベルではないと思いました。

まさに吉田の生涯を紹介する展覧会です。

 

今回はわりに気楽な感じで出かけたのですが、吉田博展という名前のとおり、

吉田の生き様がよく表されていました。

お写真の吉田は一見、物静かな紳士の様子で、

黙々と木版画に打ち込んでいたような印象ですが、

あの黒田清輝を認めず、噂では殴ったとか?なんて熱い人なんでしょ〜

熱すぎます!

美術の世界でも長い物には巻かれろ的な風潮は変わらない時代に

吉田は真っ向から立ち向かいハガネのような精神力で

自分のスタイルを作り上げたことがとてもよく伝わってくる展覧会でした。

 

吉田博は、のちに川瀬巴水や土屋光逸にも代表される、

いわゆる新版画という括りで、

元英国皇太子妃ダイアナさんは執務室に吉田の作品2点(来日時に購入)を

席後ろの壁に飾るくらい気に入っていたとのことで、

むしろ海外での評価の方が高かったようです。

洋画を描くことがトレンドだった頃にもその流れに乗ることなく

日本にしかない自分にしか描けないものを

ひたすら追い続けた生涯だったと思いました。

 

以前、吉田の作品をメインで新版画の展覧会に行った時にワタシは、

むしろ川瀬巴水が素晴らしく感じて、

吉田はこんな感じかな?程度の感想でした。

しかし今回、行ってみて、あらためて吉田の作品に惹き込まれました。

版画といえば浮世絵・・とイコールと思っている人も少なくないと思いますし、

いわゆる印刷だから一回、木版をつくってしまえば、

どんどん刷るだけ・・・と思ったワタシは愚かでした。

新版画はなぜ「新」なのかといえば、その題材もあるでしょうが

やはりその刷りの回数の多さは浮世絵の刷り回数の比ではなく多いもので100回

(ちなみに浮世絵は平均13回)近い刷りを経て完成するなど

本当に気が遠くなります。

絵を一枚描く体力で一枚刷ることは並大抵ではないと思われ、

また版画は絵師、彫師、摺師の共同作業が基本なので

一人で全部の作業をするのではないことも考えると、

やはり、その手間ひまは相当のものと思われます。

 

昨年はコロナの言葉だけがニュースにちらほら出てくるくらいで、

展覧会(若冲)の人気も相まって今では考えられない密状態で鑑賞していましたが

今年は予約制も導入され、入場人数に余裕があれば待機ナシで入場できるなど、

その様子はすっかり変わりました。

 

皮肉だな〜と思うのは、コロナ以前の観覧者数の異常さが感じられていたので

美術鑑賞って、このくらいの人数でゆっくり廻るのがきっとイイのだろうな・・と思いました。