【100歳記念 野見山暁治のいま展】
@京都高島屋7階グランドホール
2021.03.03〜03.15
最初に観に行って、もしもう一回、来れたら来たいな〜と思っていたら
チケットをいただくチャンスがあり、
閉会ギリギリの今日、行くことができました。
入場してすぐにある、ご本人のお写真は
100歳には見えないにしても、穏やかな様子で
いわゆるアーティストならではの目力ギラギラした感じとはほど遠く
ですが目は小さいながらもキラキラしています。
それでもやはり「おじいちゃん」です。
だけど作品を観ると、瑞々しい感性にあふれています。
いわゆる抽象画といっていいのでしょうか、
大きな画面を自由に筆を走らせ、
少しキレイな色を数色ほど使って
ひとつの作品がそこにある。
「野見山グレー」と名付けられた、その画面は
ワタシには、やさしい色を使う岡本太郎のようにも感じました。
基本色グレーを使いながらブルーやピンク、
時に容赦ない赤を使ったりしています。
タイトルが何気に飾り気なくイイです。
「ぼくの切れっぱし」
「言いたいことばかり」
「もう一つの約束」
「どこに住んでいる」などなど・・・
野見山は今の東京藝術大学に進学して
いま東京ステーションギャラリーで展覧中の
「南薫造」の教室に入ります。
南といえば、印象派と呼ばれた画家なので
今の野見山とは真逆といっていいかもしれません。
その後、教授から退官後も客員として藝大で教えています。
野見山は
『いまが楽しい、それでいいじゃないか、
こんな楽しいことを手放すつもりはない』と、
ますます制作意欲は衰えるところを知りません。
野見山の作品はデザイン的に感じるところがありました。
Tシャツやストールや風呂敷などにとてもよく映えてヨカッタです。
さんざん悩んだ末に最初に見てイイな〜と感じた
「風のある日」という作品がデザインされた白Tシャツを買いました。
夏にきっと似合うと思います。
出口間近に紹介ビデオが流れていました。
食事にも気をつけおられるようで、
野菜を欠かさず、お鍋でカフェオレを温め、小さなパンひとつと
それだけなのに、なんだかオシャレです。
画材もこだわりはあるようでも、あれば良い・・・レベルみたいで
パレットは薄いまな板?
それにアルミのボールでしょうか、そこに絵の具を絞り出し、
それでも絵筆はたくさんあります。
パリにも出かけ、さくさくと散策し、街中のベンチに座り、
ノルマンディではスケッチをしたり、本当に楽しそうです。
福岡の糸島にもアトリエを構え、夕暮れの海をぼんやり眺める。
特別に贅沢なものは何もありません。
でも、健康で、こんなふうに生きられるなら、
きっと長く生きることは良いことだと思えました。
次の展覧会は、おいくつになっておられるでしょう。
お元気で、ますますのご活躍を祈ります。