【日本画「北澤コレクション名品展 春」】
@北澤美術館(長野・諏訪市) 2021.02.17〜2021.05.11
館の2階のフロアを使ってのコレクション展示です。
北澤美術館はガラス作品の美術館でよく知られていますが絵画のコレクションも収蔵されています。
今回の展では点数は26点が展示されていました。
初めて知る画家の中で北野治男『春に』という作品が目に止まりました。
薄い緑の細かい筆使いが美しく、春になってまだ浅い感じの柔らかな葉の様子がとても美しい一点です。
知名度のあるところでは東山魁夷『曙』『緑のハイデルベルグ』の2点がありました。『曙』は青のグラデーションの山並みが美しい、有名な作品のひとつとは思いますが、コチラの収蔵品だったんだ、と驚きました。キャプションに魁夷は「描くことは祈ること」としています。他にもそのようなことを残している画家は少なくないと記憶しています。仏門の修行に当たるのが絵を描くことだ、とか、ただ好きとかだけではないのですね。
あと何気に気になっている杉山寧の作品が3点ありました。
『きく(漢字:サンズイに菊の草冠ナシ)』は鯉、『暘(よう)』は鶴、『涔(しん)』は水鳥が題材で描かれています。
他にも小野竹喬や牡丹を描いた山口華楊と堀文子の作品もありました。
あと上村松篁の『春暖』は文鳥が可愛らしく、柔らかい画面で暖かな空気さえ感じられました。
それなりにスペースのある部屋で贅沢にもほぼ貸切で観せていただきました。
集中して観るには程よい点数でよかったと思います。
今の展示作品は5月11日までということで、展示替えが比較的ひんぱんで、いつ行っても以前とは違う収蔵品を観せていただけると思います。
次回の訪館が楽しみです。