【生誕180周年 ルノワール展】
@山王美術館 2021.03.04〜07.31
来年秋には難波ホテルモントレグラスミア大阪22階から
京橋OBPのホテルモントレラスール大阪ガーデンチャペル跡に移転されます。
いわゆるいいホテル内にあり、優雅な気分で鑑賞させていただける稀有な美術館で、すっかりファンになりました。
OBPに移転して、優雅な時間をますますいつでも気軽にできることを楽しみにしています。
が、その前に・・・【ルノワール展】
しかも山王美術館さんのコレクションだけで構成されている、これは、よくある他の画家作品と掛け合わせの展覧会じゃなくて、純粋にルノワールを楽しむ、味わう、という、とっても贅沢な展覧会と思って出向きました。
しかも39点⭐︎王道にこれはルノワールやね、とわかるものから、これって本当にルノワール??と思うような珍しいものまで、よくコレクションされてるな〜と思いました。
時節柄、人もそれなりで、同じ作品に人が群れることもなく、ゆっくりと作品と向き合えて、余力を残して館を後にするようなところが好きです。
1910年に『カーニュ風景』を描いています。
カーニュは地名です。このカーニュという場所は、ずっとルノワールが来るのを待っていたようで、ルノワールも初めて訪れてからこの地を最愛の地としました。
制作年は不明ですが『砂糖壺』というタイトルの作品が気になりました。
人物画や風景画が多いなかで、とても美しい砂糖壺を描いています。
ワタシはどちらかというと静物画にあまり関心がない方ですが
思えば写真というものがなかった時代は、気に入ったものは物として残すか、
描いて残すかしかなかったのでしょう。気に入って使っていた砂糖壺だったのではないかと、ちょっと想像しました。
1885年製作の『恋人たち』は、その頃のルノワールは印象主義の行き詰まりからか、何も知らされずに観たら、おおよそルノワールの名前は出てこないだろうと思われるような作品です。
ルノワールは印象派または主義と呼ばれる絵画運動で重要な画家ですが
ルノワールはつぎのように残しています。
「われわれの運動で一番、重要な点は、絵画を主題から解放したことにあるという気がする。私は花を描いて、それをただ“花“と呼ぶことができる・・としています。さらに晩年には「絵というものは、ぼくにとって愛すべきもの、愉しく美しいものでなければならない。」と語っています。
絵とは、ただ愛すべきもの、ただ美しいもの、ただ愉しいもの・・と、何かを
たとえて描くのではなく、純粋に描き手として目の前のモデルと向き合ったことがよくわかる言葉です。
ワタシが西洋絵画を観て「いいな」と思った最初がルノワールだったと思います。それからルノワールは間違いなく安心して鑑賞できる画家のひとりです。
今回はそんな観なれたつもりのルノワールですが、知らなかった部分も多く観ることができ、とても興味深い展覧会でした。行って良かったです。