【没後50年榊原紫峰 花鳥の美に魅せられた日本画家】
@足立美術館 2021.05.31まで
いつかは行ってみたいな・・・と思っていた足立美術館に
ついに行ってきました。
季節としては冬でもなく、その時はまだ桜もなく・・・という時期のせいか
空いてました💦
でもお庭の素晴らしさは想像以上で、何もない時期だからこその清々しいほど何もない美しさを感じました。
でも、庭の手入れを表にまとめているところを確認すると、[サツキ刈込(整枝)]となっていて、なるほど・・いわゆる散髪仕立てのサッパリ感はこの時期ならではかな?と思いました。
そして春季特別展の前に昨年、新設された魯山人館へすすみました。
実はここを楽しみに来ました。本当は開館した昨年に来たかったのですが
こればかりは仕方ありませんね、それでも今年来れてよかったです。
春季特別展は【没後50年榊原紫峰 花鳥の美に魅せられた日本画家】です。
恥ずかしながら初見の画家です。
絵そのものもさることながら、自然に対する畏敬の念を持って絵を描いています。紫峰は「凡ての自然は咲く花も唄う鳥も駆ける獣も飛ぶ虫も決して偶然に存在するものではありません。それは皆、大きな宇宙の神秘の中に包まれているのです。」としています。なんだか宗教家の説く説法のような趣です。
紫峰の描く動物や小さな鳥も花もとても丁寧に時に可愛らしく愛おしむような印象が感じられました。
タイトル「秋草」の菊の白い花びらは胡粉を厚く盛り上げる伝統的な技法を用いて描かれています。平坦な紙から浮き出てくるような存在感のある白い花びらは菊の花を立体的に見せていて美しく素晴らしいです。
また紫峰と同時代の画家、竹内栖鳳・橋本関雪・西村五雲なども紹介されていました。
また別の展示室や広い廊下に現代作家を展示されていました。
清水操の作品『夏の日』にとても魅了されました。
シンプルに青い空と少しグリーンを加えた海と自身が漕いで来たのか自転車が一台。
そして林義雄の作品『いないいないばぁ』シリーズがなんとも可愛らしくて、
大人でさえ、なんだか不機嫌な日もこの絵を見たら、それだけで笑顔になってしまうほど、童画は決して子供だけのものではないと思いました。
帰り際に絵葉書・・と数枚えらんで買い求め、いまは額にセットして飾っています。
日本画メインでもなく、幅広い画家の所蔵があり、季節ごとに楽しめるお庭もあって、一日いても足りない素敵な美術館でした。